採用情報

先輩社員2/開発

岡田 敏也

岡田 敏也 Toshiya Okada

技術開発部
2006年入社

ハイブリッド車用アルミケースを設計中。新しいことに挑戦するワクワク感がある。

トヨタ自動車に3年間出向し、「設計思想」を学ぶ。

当社に入社して最初の3年間は、協力会社に試作品を作ってもらうための依頼や納品時のチェックを担当していました。その後、トヨタ自動車に出向し、3年間にわたって車載用リチウム電池の構成部品(アルミケース)の設計を担当しました。アルミケースは薄く・小さくする方が軽量化に貢献しますが、薄くすると強度が足りなくなりますし、小さくして容量が少なくなれば、パワーや持続力に影響が出ます。実験・評価を繰り返しながら、コスト・性能などの要件を満たす最適なサイズを導き出していきました。

当社では教育の一環として、若い技術者がトヨタ自動車に出向し、仕事に必要な技術・知識・スキルを学んでいます。私もこの期間に構成部品のサイズなどの要件を決める実験・評価をしながら、「なぜこの実験をするのか?」「なぜそういう形状にするのか?」「このサイズで本当にいいのか?」といった「設計の思想」を学びました。それが、今の仕事にも活きています。

例えば、一つの目標値を実現するために、A/B/Cの3ヶ所のパラメーターを変えることができる場合、どれをどのくらい変えるかによって結果にバラツキが出てきます。その時に、一番バラツキが少ないパラメーターを調整することで常に一定条件で作動することを可能にし、安全性を高めることができます。そんなバラツキが少ないロバストな(いろいろな外乱に耐える)設計をしようという考えを、トヨタ自動車で学びました。

思想を持って設計に臨み、仮説通りの結果が出ると嬉しい。

現在は、ハイブリッド車用リチウム電池を収納するアルミケースの蓋を開発しています。蓋の真ん中には安全弁が取り付けられていますが、これはケースの中で短絡(ショート)するとガスが発生するため、ある一定の圧力になった時に内部のガスを放出して爆発を防ぐ重要な部品です。決められた圧力の範囲内で安全弁が開くようにするためには、シビアな公差が要求されます。何度も実験を繰り返し、試作品もいくつも作ってテストを行い、最適な形状やサイズを決めていきました。

製品設計が終わり、今は量産に向けた金型設計をしています。「製品設計」も「金型設計」も、CADを使って図面を描くという点は共通ですが、その中身は大きく違います、金型は工程ごとに分かれた鉄のブロックをいくつも組み合わせています。それぞれのブロックのクリアランス(すき間)をしっかり取らないと、ブロックがぶつかってしまいます。また、次の工程に搬送する方向も考慮しないと、移動させる時にどこかで干渉してしまうこともあります。つまり製造工程までしっかり理解していないと金型設計ができないため、知識と経験が必要な仕事なのです。

開発の仕事は、思想を持って仮説を立て、実験して検証を行い、修正することの繰り返しです。自分の思想を設計に取り入れて、仮説通りの結果が出た時は、本当に嬉しいですね。特に、他の人がやっていない新しい分野に挑戦する時はワクワクします。私が現在取り組んでいるHV・EV用電池の分野は、まさにそうなので、楽しみながら開発・設計の仕事に打ち込む毎日です。

岡田 敏也
ある日のスケジュール
8:30 出社
メールチェックから1日がスタート。チェックを終えたら、CADに向かって設計。
午前中はだいたい設計に打ち込んでいます。
12:00 昼食
昼食は社員食堂で。違う部署の人とおしゃべりしながら気分転換。
13:00 グループミーティング
午後はどこかのタイミングでグループミーティング。
職場全体の連絡事項を聞いたり、各メンバーの進捗状況を確認します。
グループミーティング以外の時間はCADを使って設計。
わからないことは営業技術の先輩に聞きながら、仕事を進めています。
18:00 帰宅
自分でスケジュールを組んで仕事を進めていますので、仕事を終える時間も自分の裁量で決められます。順調に進んだ時は、友だちと飲みに行ったりします。